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樋口可南子の ものものがたり

池田屋の若旦那から、特に理由もいわれず、ポンッと渡された一冊の本。
なになに?「樋口可南子の ものものがたり」
表紙には、着物を着て微笑みながら佇む美しい樋口可南子さん。

──なんだか、私には高尚な本だぞ。

それが第一印象。

かれこれ、借りてから、どのくらい過ぎたでしょうか?最初、どばばっと、半分まで読み進み、ワクワクして引き込まれた本でした。

そう、それから、なんやかんやと、忙しくなり、中途になったままの本。忘れた頃に若旦那から返却メールが!
「ごめんなさい!すっかり忘れとりました。」

それから一時間で読み終わる(笑)

そう、やっぱり面白い本でした。

ご存じの方も多いと思うのですが、京都好きがこうじて京都に数寄屋造りの家を構えることを決意した樋口可南子さん。ものがたりはそこから始まるのですが、この本を通じて初めて樋口可南子さんと言う方をじっくり分かった気がしました。樋口さんをとおしてみる京都の町。
京都の町と言うよりは、私にとっては着物のあり方、楽しみ方、それに伴うデザインや小物の意味、息ずく生きた和物の良さを堪能しました。

話はそれますが、先日仕事で打ち合わせにいった先でのこと、凝り性なご夫婦がされている小さな町の薬局なのですが、そこにはお客さまがゆっくりくつろげる、お話ができるスペースがあり、そこにバラバラの椅子が二つ置いてあったのです。
それはアンティークの木の椅子なのですが、ご主人曰く、その椅子のつくりは
60年代〜70年代にかけてアメリカで作られたもので、そのつくりを見る限り、どうも日本の技術がいかされているらしい‥‥‥。

そうなのです、その「継ぎ」の部分は日本の建て具を思わせる造りだったのです。
うまく言えないのですが(素人なので)「曲げ」の感じなどがどうもそうなのです。
写真撮っておけば良かった〜〜〜。
ここで思い出すとは思っていなかったもので‥‥‥。

当時のアメリカの建築やデザインはわりと日本の影響を受けていたりしたのを聞いた覚えがあります。
イサム・ノグチだったり柳宗理だったり、20世紀を代表するアーティストを思い出しますね。
しっかりと日本の「意志」や「良さ」や「技術」は受け継がれいかされていたのです。
一品ものは確かにいいものが多いです。
けれど、普段使いのもの、そこに、本当のデザインがあるのだな。
そう感じた日でした。
いやまてよ?普段使いのものだからこそ、いいもの。なのかな。


そこかしこで、しっかりと息づいている日本。

────話はこの本に戻るのですが、この本の中にもいろんな日本が垣間みれます。
樋口さんが数寄屋造りの新居におくものを、ひとつひとつ丁寧に見ていくという本なのですが、第一章のなかに椅子の話があるのです。

上記の話はこれを読み返して、思い出したのです。
ヨーロッパ(主にデンマーク)デザイナーの椅子を多く集めた京都のとある場所を訪ねる章があるのですが、そこで、書いてあったことにびっくり。

「‥‥現代デンマークのデザイナーたちは、日本の建築、特に数寄屋造りをずいぶん勉強し、影響を受けているんです」

この言葉に、なんだか、顔から火が出る思いでした。

様式美としての和物をいいと思ったり、奥深さを追求したいと思いつつ、体現できてなかったり、そんなまどろっこしさを、あさはかさを日本人の私は思うのに、ほかの国の方々にしっかりと影響を与えているんだ〜〜って、思ったのです。


そしてまた、樋口さんの勘の良さと言うか、なんというか。

この本の良いところはこの話だけでなく要所要所にたくさんあって、話しが尽きなくなりそうなのですが、読み終えて、ふだんのさり気ない和物の取り入れ方、着物の着方、いろいろ考えました。

最後、二年と言う月日のなかで、樋口さんの新居の数寄屋造りにあったものを選ぶと言う、一冊そのものが丁寧に、書かれた本でした。
もともとは、雑誌の連載なのかな?よく分かりませんが、ひとまとめに読めて本当に良かった。そのゆったりとした月日に、私は共感できたし、あたたかさを感じました。

で、若旦那はなんで、これを読むように勧めてくれたのだろうか?
いろいろ考えあぐねている私なのですが、そんな野暮なことはとりあえずここではかかないでおくとしようかな。(笑)

手もとに置いておきたくなるとってもいい本でした。

とりあえず、返却しなければならないので、感じたことだけつらつらと
ここに書き留めておいたしだいです!

「和のある暮らし」なんて言葉ではなく、
しっかりと日本という良さを教えてくれる一冊です。
読み終わった後に、
「和の中に生きている私たち」と思わせてくれるし、
「普段使いの心遣い」という、丁寧なものへのこだわりが見れる。
そんな大袈裟でなく、そんな、感じを受ける本でしたよ。

タイトルの「ものものがたり」なるほど!

秋の読書にはもってこいかも!

池田屋‥‥佐賀県の唐津にある老舗の着物屋さん
池田屋さんに行った時の記事:




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BOOKS | 01:14 | comments(15) | trackbacks(0) |Twitter でつぶやく | ▲Top
COMMENTS
すぐ目の前に素晴らしいものがあるのに気がつかないということ
ありますよね。自分にないものに魅力を感じるという方は多いので
しょうが、いいものってやっぱり共通点が多いものなのでしょうね。

風邪はいかがですか?季節の変わり目ですからご自愛くださいませ。
| 瑞樹 | 2007/09/25 10:37 PM | ▲Top
アドバイスするの?
| BlogPetのコマメ | 2007/09/26 2:07 PM | ▲Top
■瑞樹さん
こんにちは。
この本にも書いてあるのですが、京都巡りにもぴったりだそうです。
たぶん、ここに紹介されている茶器だとかそういうのをみると、
瑞樹さんの物欲を刺激しそうですよ〜(´m`)クスクス
なぜか、瑞樹さんが行かれた京都の風景も思い出していました。
パッと行けるといいのになぁ‥‥‥。私には遠い地です。
風邪は、用心しています。
今のところ、何ともないようですが、季節の変わり目は本当に用心しなくてはと思いました。
| mine | 2007/09/26 8:39 PM | ▲Top
いい〜ですね! 数寄屋建築。
私も大好きな様式です。数寄屋の事を語ると…終わらないですね。
茶の湯、露地… んん〜 いい〜な〜 あこがれますね。
良い素材の本物を普段使いにしたいですね。
俗に言う今日の「伝統工芸品」のあり方にはちょっと疑問を感じますが…

 いい〜ものは残って欲しいですね!

ちなみに、昔から樋口さんは好み ^ ^;)
| chim | 2007/09/27 2:20 PM | ▲Top
温故知新。
古きを訪ねて、新しきを知る。。。。
私も、スキ。

樋口可南子さん、同じ大学出身なので、なんとなく、親近感。
ステキよね。あーいう女性になりたいなあ。。。ねっ。
京都マニアなので、この本、読んでみますっ。

ん?で、着物着るの?着付け、なかなか、覚えられないよね。(*^^*) 
| MACO | 2007/09/28 12:14 PM | ▲Top
■chimさん
この本はchimさんにもお勧めです。
いえいえ、樋口可南子さんをおすすめしているわけでは決してありません(笑)
そうなんです、数寄屋造りのお住まいを建てられた樋口さんのもの選び。
それはなんだか、chimさんのもの選びにも共通しています。
あと、以前紹介されていたマスターのいらっしゃるカフェ。
あの空間を思い出したり、日本家屋独特の柔らかい光線の取り入れ方など
頭に思い描いたりしていました。
そこに、樋口さんの丁寧に選んだものがちりばめられる‥‥‥。
うっとりします。
「伝統工芸品」の在り方。なっとくです。(笑)

■MACOさん
そうそう、いい言葉がありましたね!温故知新。
私もなれるでしょうか?あのような女性に‥‥
根っからの九州女。気性は激しく、現代のそれで男性の後ろを散歩下がってなんて奥ゆかしいこともできず‥‥(;´д`)トホホ
京都マニアな方には絶対におすすめできます。
たぶん、私が読むよりも、もっともっと共感できるのではないかな〜?
着物‥‥着付け‥‥‥聞かないで〜〜(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
| mine | 2007/09/28 3:57 PM | ▲Top
こんにちは。
樋口可南子さん、京都が似合うだろうなぁ…と、
mineさんの文章を読みながら、私が知る京都にあてはめて、
また改めて、うん、似合う!と一人納得^^
私もぜひこの本を読んでみたいと思います。
これからベストシーズンの京都、しっとり訪れたいところですが、
現実はどこも一杯…悲しい。
| aya* | 2007/09/28 6:50 PM | ▲Top
■aya*さん
小説以外はあんまり手に取らないのですけれど、
貸していただいて良かったです。この本、オススメ。
この本の内容はもちろん、これを貸して下さった方も本当に頑張っているのですがあらためてその頑張る世界が大きいことに驚愕しました。
すごいところを担ってるな‥‥って。
うんうん、aya*さんも京都はよく行かれる様ですので、ぜひ手に取ってみて下さい。この本、いいですよ〜〜。
今気がつきましたが、私のブログにくる方、京都通が多いですね〜。
| mine | 2007/09/28 9:07 PM | ▲Top
いいですね、数奇屋作りのお家。
京都って言うのは不思議な町ですね。
年を取るごとに、年々良さが解ってくると言う・・・
初めて京都に行ったのは中学の修学旅行でした。
その時どこに行ったのか、ちーっとも覚えていないのに(笑)
今年の秋は行けるかなぁ。
ちょっとした小道、裏通り、そんな所を歩くのが好きです。
| dolphin | 2007/10/01 6:08 PM | ▲Top
■dolphinさん
初めて京都‥‥いつだったかな?(;^_^A アセアセ・・・
いづれも、ちゃんと京都という町を回ってない私。
哲学の道だけ歩いて、寺で個展の手伝いやって
なんか夜は行きたかったバーに行って飲んで寝ちゃった覚えしか‥‥。
一度、観光という観光をしてみたいです。
できれば毎年行きたいのだけどな〜(^_^)
| mine | 2007/10/01 10:46 PM | ▲Top
京都、行ってないなぁ・・・・
私ねー、次に京都行ったら、絶対マイコハーンのコスプレ(って言うな)するんだ、と10年近く思っているんですよ〜(笑)
早く行かないと、コスプレでなく、バツゲームになる・・・・(爆)
| yuu。 | 2007/10/02 9:18 AM | ▲Top
☆読書の秋ですね♪
人から薦められた本は、世界を広げてくれるので
ちょうどいいスパイスになりますね。
自分の読んだすばらしい本を
じょうずに紹介するのは、なかなか難しいものやのに、
読んでみたいなぁ〜と感じました。
| るな | 2007/10/02 10:14 PM | ▲Top
■yuu。さん
こんにちは〜〜(^_^)
マイコハ〜ンのコスプレですか?どんな風になるんだろ〜〜。
すっごい、たのしみ。
でも、実は私もなんちゃってマイコハ〜ンのコスプレしたことありますよ〜(笑)
京都ではなかったのですけれど。(´m`)クスクス
罰ゲームにならないうちに行ってみて下さい♪
きっと、いい写真が撮れるはず!


■るなさん
はい!読書の秋。
と、言いたいところですが、これ以降読書してないです‥‥(;´д`)トホホ
でも、涼しくなると、本当に集中力も良くなりますね。
私も人に勧められた本やモノは覚えていて、わりとチェックします。
本などは、リストにしてます。
ど〜んと、大人買いしたいです。(笑)
良き読書の秋になりますように〜(*^-^)
| mine | 2007/10/02 11:57 PM | ▲Top
こんばんはぁ〜〜
本当に本当にお久し振りにお邪魔していまぁす^^
何とかボチボチブログも再開するつもりなので
是非また仲良くして下さいね♪

さて、こちらの本、mineさんのブログを読んで
かなり強く気になってます。
そうなんですよね、プロダクトデザインはもちろん
フランク・ロイド・ライトなど、建築もものすごく日本の影響を受けているんですよね。
今通っている大学でも日本建築の勉強をするのですが
日本の建築も本当に自然を強く理解し、受け入れることで成り立っているなぁって
実感します。
素晴らしいですよね。
(これについて話始めたら止まらないので、この辺で^^;)
こちらの本もきっとすごく共感出来ると思うので
今度是非探してみます!!
「和の中に生きている私たち」是非実感したいです♪
| caoricci | 2007/10/10 1:27 AM | ▲Top
■caoricciさん
こんばんは〜!(^_^)
久々のコメント、なんだかとっても嬉しいです♪
私の方こそ、更新が止まっていますが、よろしくお願いしますね!
日本のもの、caoricciさん、好きそうというか、この本を読んでいて
caoricciさんのブログも思い出したりしていました。
だって、実践してますもの!生活の中で。(^_^)
お手本にしたいくらいですよ〜。
この本、きっとcaoricciさんが読んだら、もっと共感できると思います。
探してみて下さいね♪
| mine | 2007/10/11 1:05 AM | ▲Top
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